GSYS (Graph Suchi Yomitori System, グラフ数値読み取りシステム) 2005年1月28日 新井 好司 (1). このシステムは論文等の図から実験データ等の数値を読み取るための システムです。 ファイルは https://www.jcprg.org/ からダウンロードできます。 このシステムのプログラムはJava言語で書かれているため、 使用するコンピューターにJavaがインストールされていないと 使用できません。 プログラムの名前は Gsys.java です。 クラス・ファイルが無い場合はまず "javac Gsys.java" で コンパイル後、 "java Gsys" でシステムを立ち上げます。 クラス・ファイルが既にある場合はコンパイルの必要はありません。 また、このシステムで数値を読み取るには図を含んだ画像ファイル (PNG,GIF,JPEG)をあらかじめ用意する必要があります。 (2). まず、始めに "L.F" ボタンをクリックし、読み取ろうとする図が ある 画像ファイルを読み込みます。 (3). "+F", "-F" ボタンで図の拡大、縮小が出来ます。 "R.F" ボタンで初期値のサイズに戻せます。 (4). スクロールパネルの拡大、縮小については、 横方向が "+W"、"-W" で、 縦方向が "+H"、"-H" で出来ます。 "R.SP" ボタンで初期値のサイズに戻せます。 (5). X軸の設定 : "Xa" ボタンを押し、図上のX軸の始点、終点をクリックします。 (6). Y軸の設定 : "Ya" ボタンを押し、X軸と同様に始点、終点をクリックします。 あるいは、もし、Y軸の始点がX軸の始点と同じなら "*Ya" ボタンを押し、 Y軸の終点だけを押してY軸を設定できます。 (7). データ点の設定 : 実験データ等の点を設定する場合、 まず"Ad" ボタンを押し、 次に図上のデータをクリックすると、赤丸が現れます。 引き続き別の場所をクリックすると2つ目のデータを設定でき、 以下同様です。最後の設定したデータは赤丸で、それ以外は 紫色になります。この状態を解除するには"Ad"ボタンをもう一度 押します("Ad"ボタンは赤から白に戻る)。 赤丸の状態のデータは移動、消去、誤差棒の設定が以下の(8),(9)の 操作で出来ます。 また、図を拡大した後など、マークしたデータがGSYSの画面から 見えなくなった場合、Enterキーを押すと自動的に画面の中央に 来る様ににスクロールが動きます。これはX,Y軸の始点・終点も含みます。 何もマークされていない場合は、画像の左上角が画面に来る様に動きます。 (8). データ点の消去、移動 : データの点の消去、移動については、 まず "Ma" ボタンを押し、 消去、移動したい点の付近をクリックすると、紫色の丸が赤色に 変わります。そのまま、別の場所をクリックすれば、他のデータに 対し同様なことができます。これらの操作を解除するにはもう一度 "Ma"ボタンを押します(Maボタンが赤から白に戻る)。 消去したい場合は そのまま "Rem" ボタンを押すと赤丸のデータが 消去されます。 移動の場合は "Mo" ボタンを押した後、矢印キーを押すとその方向に 赤丸のデータが移動します。もう一度"Mo"ボタンを押すと解除されます。 また、X,Y軸の始点と終点についても、上と同様に"Ma"ボタンでマーク した後(青丸から赤丸に変わる)、"Mo"ボタンを押すと矢印キーで移動できます。 但し、消去はできないはできないので、"Xa"、"Ya"、"*Ya"ボタンを使って 再設定してください。 なお、矢印キーは図を一旦クリックして、フォーカスが図上にないと 働きません。 (9) 誤差棒(エラーバー)の設定 : X軸、Y軸方向の誤差棒を設定するときは、まず、"Ma"ボタンで 誤差棒を設定したい紫色の丸のデータをマークし、赤丸に変えます。 その後、対称誤差の場合、X軸方向に関しては、"X err(sy)" ボタンを 押し、図上のどちらか一方の誤差棒の端をクリックします。 Y軸方向に関しては "Y err(sy)" ボタンを押し、X軸と同様にします。 非対称誤差の場合、X軸、Y軸方向に対して、それぞれ "X err(asy)" 、 "Y err(asy)" ボタンを押し、誤差棒の両端をクリックします。 通常、"Mo"ボタンでデータを移動させる場合、誤差棒があると 誤差棒も一緒に移動します。もし、一部の誤差棒のみを移動させたい 場合は、"Mo"ボタンを押した後、"F5"、"F6"、"F7"、"F8" のいずれか を押します。すると、移動可能な誤差棒の先端に赤丸がつくので、 矢印キーを使うとその誤差棒のみを移動させる事ができます。 この操作を解除したい時は "Mo"ボタンを押し、"Mo"ボタンの操作全体を 解除してください。 但し、"F5"、"F6"、"F7"、"F8" キーは図を一旦クリックして、フォーカ スが図に無いと働きませんので注意してください。 各キーの対応関係は以下の通りです。 F5 --> 最初に指定したX軸の誤差棒 F6 --> 2番目に指定したX軸の誤差棒(非対称の時) F7 --> 最初に指定したY軸の誤差棒 F8 --> 2番目に指定したY軸の誤差棒(非対称の時) なお、誤差棒のみを"Rem"ボタンで消去できませんので、必要な時は 再設定しなおしてください。 (10) 全消去 : 上の(5)以降の全ての過程を初期化する場合は "C" ボタンを押します。 (11) キー入力 : 頻繁に使用すると思われるボタンについては、ボタンの変わりに キー入力で同様な操作ができます。 ボタンとキーの対応関係は以下の通りです。 (ボタン) --> (キー) +F 上向きの矢印キー("Mo"ボタン未使用時) -F 下向きの矢印キー("MO"ボタン未使用時) R.F R Ad A Ma M Rem Esc Mo V Data O X err(sy) F1 X err(asy) F2 Y err(sy) F3 Y err(asy) F4 但し、これらのキー入力は図を一度クリックして、フォーカスが 図にある場合のみ有効なので注意してきださい。 (12) 数値データの出力 : 実際に実験データ等の数値を出力する時は、上記の過程の後、 "Data" ボタンを押すと別画面が現れます。 別画面上でまず、X軸、Y軸の始点、終点での数値を代入します。 ( "x(start)=", "x(end)=", "y(start)=", "y(end)=" ) 次に誤差の表示に付いて、"Error value" の "(Set Error)", "(Set notation)" の中からいずれかを選択します。 * (Set Error) の中身、 No Error --- 誤差を非表示 X Error --- X方向の誤差のみ表示 Y Error --- Y方向の誤差のみ表示 X & Y Error --- 両方向の誤差を表示 * (Set notation)の中身 Relative -- 誤差を相対値で表示 Absolute -- 誤差を絶対値で表示 次のX軸、Y軸のスケールについて Linerスケール か Log スケールを "Scale" の "(X-axis)" か "(Y-axis)"から選択します。 以上の操作後、"Write" ボタンを押すと数値が出力されます。 "Sort X"、"Sort Y" ボタンで出力を X, Yの値の大きさ順の書き換え ることができますが、"Write"ボタンで元に戻ります。 "Save" ボタンでこれらの出力をファイルに保存することができます。 "+SPW", "-SPW", "+SPH", "-SPH" で数値出力用の枠の大きさを変えら れます。 "Close"でこの画面のみを閉じることができます。 (13) ######################## 注意 ################################# (12)で得られる数値データの精度に関しては、図を"+F"ボタンで十分 拡大してから、"Mo"ボタンで微調整するとより高い精度が得られるので 必ず "図の拡大"+"微調整"を行って下さい。 (14) プロパティ画面 : "Pro" ボタンを押すとプロパティ画面が現れ、画面上の色や丸の大きさ の変更ができる。 また、数値データに出力に関し NRDF フォーマットに変更できる。 NRDF フォーマットについては (16) を参照してください。 (15) 各ボタンの説明 : "L.F" ---> 画像ファイルを読み込む。 "Pro" ---> プロパティ画面の出力 "+F" ---> 図の拡大。 "-F" ---> 図の縮小。 "R.F" ---> 図を初期値のサイズに戻す。 "+W" ---> 図があるパネルの横方向への拡大 "-W" ---> 図があるパネルの横方向への縮小 "+H" ---> 図があるパネルの縦方向への拡大 "-H" ---> 図があるパネルの縦方向への縮小 "R.SP" ---> 図があるパネルを初期値のサイズへ戻す。 "Ad" ---> データを追加する。 "Ma" ---> データ、及びX,Y軸の始点、終点を移動、消去、誤差棒 設定のためにマークする。 "Rem" ---> マークされているデータ(赤丸)の消去。 "Mo" ---> マークされているデータ(赤丸)の移動。 "Xa" ---> X軸の設定。 "Ya" ---> Y軸の設定。 "*Ya" ---> Y軸の始点がX軸の始点と同位置の場合のY軸の設定。 "C" ---> 全てのデータ及びX、Y軸の設定の消去。 "X err(sy)" --> X軸方向の対称誤差棒の設定。 "X err(asy)" --> X軸方向の非対称誤差棒の設定。 "Y err(sy)" --> Y軸方向の対称誤差棒の設定。 "Y err(asy)" --> Y軸方向の非対称誤差棒の設定。 "Data" ---> 数値出力用画面を表示。 "Exit" ---> システムの終了。 "Data"ボタンによる数値出力用画面のボタン "Write" ---> 数値の出力。 "Save" ---> 出力結果をファイルにセーブ。 "Sort X" ---> 出力結果をX値の大きさに応じて並び替える。 "Sort Y" ---> 出力結果をY値の大きさに応じて並び替える。 "+W" ---> 数値出力枠の横方向への拡大 "-W" ---> 数値出力枠の横方向への縮小 "+H" ---> 数値出力枠の縦方向への拡大 "-H" ---> 数値出力枠の縦方向への縮小 "Close" ---> 画面を閉じる。 (16) NRDF フォーマット : "Pro"ボタンによるプロパティ画面で出力フォーマットを "NRDF"に に変更後、"X err(sy)"、"X err(asy)"、"Y err(sy)"、"Y err(asy)" のいずれかを押すと一番下に "Neg"、"Unk"ボタンが現れます。 (逆に "Standard" のフォーマットに戻し、上の4つのキーのいずれか を押すとこの2つのボタンは消えます) これらのボタンにより誤差に NEGLIGIBLE、UNKNOWNを入れることが 可能である。使い方は、"Ma"ボタンでデータをマークした後、 "X err(sy)" + "Neg" または "Y err(sy)" + "Neg" ===> +NEGLIGIBLE-NEGLIGIBLE "X err(asy)" + 誤差棒の片方をクリック + "Neg" または "Y err(asy)" + 誤差棒の片方をクリック + "Neg" ===> +1.23456E+00-NEGLIBILE または +NEGLIGIBLE-1.23456E+00 UNKNOWN についても同様。 -------------------- 終わり。---------------------------------------